インタビュー
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先生のお話をお聞きしていると相続業務について幅広い対応をされていると感じますが、実際のご相談内容はどのような内容が多いのでしょうか。
生前対策について相談を受けることは多いですが、それよりも亡くなられた後、紛争になってから相談に来られる方がたくさんいらっしゃいます。生前にご相談を受けていれば、あいまいで不正確な遺言書を訂正してもらったり、金銭の移動について借用書等の書類を残しておくなどの対策をとることで、紛争にならずに済んだケースがあります。やはり法律相談はお早めがおすすめです。
紛争になってしまった場合の相談としては、遺産分割や遺留分に関する相談が多いですが、中でも特別受益や寄与分に関連するものが目立ちます。
その他の相談としては遺言の効力に関する相談、相続債務に関する相談も数多くあります。
遺産分割・相続争いには注力されているとのことですが、相続トラブルを抱えた方がどのようなタイミングで相談されたらよいかお教えください。
トラブルを抱えた場合の相談は早ければ早いほどよいと思います。親族間の紛争は感情的になりやすい面があります。感情的にこじれてしまうと解決が難しくなったり長引くことが多いので、早期に専門家でありかつ第三者である弁護士の意見を聞くことをお勧めします。
たとえば、法律上は弱い立場なのに、自分の要求が当然であるかのような態度で交渉をしてしまい、反感を買って話し合いができなくなってしまうことがあります。まずは当人同士での話し合いが基本ですが、その場合でも交渉を始める前に法律的に強い部分、弱い部分を知っていた方がスムーズな協議ができ、結果としてご相談者の利益になります。
またご本人同士の話し合いがうまく進まなくなってきた後に、相手を感情的にさせる書面をやり取りしてしまうなどして、溝が深まってしまう場合があります。このような場合、その前の段階で弁護士を代理人として交渉を進めた方がよいでしょう。同じ主張や提案でも弁護士を通して伝えた方が、冷静に話し合うことができるからです。
なかには弁護士を利用するのは最終手段だとお考えの方もいます。弁護士に依頼すると長期の裁判になり、費用も多額にかかると思っていらっしゃるからです。しかし、弁護士が関与する遺産相続に関する紛争でも裁判手続きを利用するのは一部であり、話し合いにより早期に解決しているケースが沢山あります。また費用についても簡単な交渉で済む事案であればそれほどかかりません。
依頼なさるかどうかは別としても相談だけは早めがお勧めです。
相続税などについては税理士の方とのネットワークでご紹介等をされているとのことですが、この点につきましては顧客本位な姿勢を感じます。法律事務所でも相続税など税金の相談などが寄せられることが多いということなのでしょうか。
相続税の相談のためだけに来所される方はあまりいらっしゃいませんが、遺産分割などの相談を受けたり、交渉をする過程で、税金が影響する場面があります。たとえば、小規模宅地の特例により宅地の相続税評価額を最大で80%カットすることができますが、この特例を使えるのか否かはどのように遺産分割をするのかに関わってきます。また、居住用不動産を売却する場合、譲渡所得3000万円までは非課税となりますが、たとえば相続人の1人が居住する不動産を相続人全員が共有する形で相続し3000万円で売却した場合、居住していない相続人には譲渡所得税が課税されます。しかし、これを居住している相続人が単独で相続して売却すれば譲渡所得税がかからず、他の相続人には、単独取得した相続人が受け取った売買代金から代償金を支払えば、譲渡所得税がかからずに実質的に売買代金を等分することができます。このように相続の処理は税金の問題が密接に関連するため、専門家のネットワークを作り、お客様のために総合的なアドバイスができる体制が必要になるのです。
最後にこのホームページを見て御事務所に依頼をしようと思っている方に、一言ご挨拶をお願いします。
当事務所は主に紹介を通じて業務を拡大してきた事務所です。そのためお客様満足度を一番に考え、親切で分かりやく迅速な法的サービスを追求してまいりました。その甲斐あって「頼んで良かった」、「もっと早くお願いしていれば良かった」というありがたいお言葉も多数頂戴しています。お客様の相続問題の解決にきっとお役に立てると信じていますので、どうぞお気軽にご相談下さい。